なぜ冬至にはゆず湯に入るのか?
日本には、1年でもっとも日照時間が短い冬至の日に、ゆず湯に入るというしきたりがありますね。
季節の行事のひとつとして大切にされているご家庭は多いのではないでしょうか。
ゆず湯には日本人としての季節感、健康や美肌への願いが込められていますが、その由来についてはご存じでしょうか?
ゆず湯の始まりは、なんと江戸時代
ゆずをお風呂に浮かべるようになったのは、時代を遡って江戸時代に銭湯が登場したころと言われています。
お風呂にゆずを浮かべる理由には、疫病が流行ったり、怪我で命を落とすことも多かった時代に、禊(みそぎ)を払う厄落としの意味がありました。
冬の時期のゆずというのはたいへん強い芳香を放ちます。
この強い香りのゆず湯に入浴することで、邪気を払う厄払いの効果があることが期待されたのです。
このほかにも、柚子(ゆず)と融通(ゆうずう)、また冬至(とうじ)と湯治(とうじ)の語呂合わせから、冬至にお風呂に入って融通をよくする意味合いが込められているとの説もあります。
ゆず湯の効果
ゆずの持つ効果は、香りの強さだけではありません。
ゆずの成分がもたらす4つの効果をご紹介しましょう。
- 血行を促進することにより体温を高め、冷え性を改善する
- 免疫力を高め、風邪などの予防になる
- 皮の部分の天然のペクチンやクエン酸が、お肌をしっとり美肌に導く
- 柑橘系の色と香りが、心身をリフレッシュさせる
ゆず湯には、このように血液循環の流れをスムーズにする病気予防や、冬のカサカサお肌をしっとり美肌へ導く効果があるのですね。
[cc id=1168]ゆず湯の入り方
続いて、ゆず湯の効果を最大限に高める入り方をご紹介します。
まずは、ゆずをお風呂にそのまま入れべきか?何かガーゼのようなものに包んで入れるべきか?悩んでしまう、という方が結構いらっしゃいます。
実はそれぞれにメリットがあるのです。
ガーゼに包む
ガーゼに包むやり方には、ゆずの効果をより実感できるというメリットがあります。
ガーゼの上からゆずを揉むと、香りや成分が溶け出しますので、ゆず湯に入っている醍醐味が感じられますね。
但し、お肌の弱い方はゆずの成分(リモネン)がチクチクして痛いことがありますので、揉み過ぎないようにしましょう。
ゆずをそのまま入れる
次にゆずをそのままお風呂に浮かべるメリットですが、一番は何といっても見た目(視覚効果)でしょう。
お風呂に黄色いゆずが浮かんでいる光景は、子供から大人まで気分がほっこりしますよね。
季節を感じるまさに風物詩です。
また、「黄色」がもたらすリフレッシュ効果も見逃せません。
ガーゼで揉んだゆずに比べて、香りや成分効果は薄まりますが、その代わりお肌への刺激は少なくなります。
どちらの方法を選ぶかはお好みで良いでしょう。
ただし、どちらの方法を選ぶにしても、ゆずはお風呂に直接入れるため、安全な無農薬のものがお奨めです。
有機野菜やオーガニックを扱う店には自然栽培のゆずが売られています。
もしも手に入らない場合は、ゆずを20分ほどホタテパウダー(ホタテの貝殻を焼成したパウダー)を入れた水の中に浸して、その後よく洗い流してから使うと良いとされています。
まとめ
ゆず湯の由来を知ると、より一層ゆず湯が身近に感じられますね。
一年を無病息災で健康と美肌へ導くゆず湯の習慣は、日本人がずっと守り続けたい季節の行事ではないでしょうか。
たまには銭湯のゆず湯へ家族で出掛けるのも楽しそうですね。
ライター:tarococo