外国人はなぜ湯船に浸からないの?
日本人が想像するバスタイムと言えば、たっぷりと張ったお湯に浸かってまったりくつろぐシーン。
しかし海外ドラマや外国映画の入浴シーンではなかなかそういったシーンって見られませんよね。
ガラス張りのシャワールームで、頭からシャワーを浴びて終了。
私が想像したのはそんなシーンでした。
バスタブがないわけではないけど、あまり海外で湯船に浸かってゆっくり・・・というシーンって描きにくいですよね。
これは一体なぜでしょうか?
日本とはまったく違う!これが世界のお風呂事情
お湯を張ったバスタブに肩まで浸かってリラックス。
日本人にとってはごく自然な行動ですが、外国の人たちからは珍しく見えるそうです。
では日本以外の国では、お風呂といえばどんなシーンを想像するのでしょうか?
アメリカのお風呂事情
アメリカにもバスタブはあります。
が、シャワーだけで済ませることがほとんどなのがアメリカです。
映画でよく見る、壁に固定されたシャワーヘッドが多いのも特徴。
日本では一日の最後に入るお風呂ですが、アメリカではお出掛け前のエチケットとして朝や外出前に浴びることが多いようです。
イギリスのお風呂事情
イギリスでは、水は貴重な資源として節水する精神が根づいています。
お風呂だけに限らず、実は食事後の片づけで食器を洗った後の「すすぐ」という工程もないのです。
身体に入って害のある洗剤は使用していないため、お皿を立てることで洗剤水が落ちるとのこと。
イギリス以外にもオーストラリアやニュージーランドでもすすぐ工程はないようです。
なるほど、バスタブにお湯を溜めないのも納得ですね。
フランスの場合
実はフランスでは、お風呂に入る習慣が極端に少ないのが特徴。
水道料金が非常に高く、バスタブ付きの物件も多くありません。
またフランスの首都、パリの水は硬水です。
石灰分を多く含有しているため石鹸があわ立ちにくく、肌はボロボロ、髪はぱさぱさに。
抜け毛の原因もなるのだとか。
入浴の習慣がないから、フランスでは香水の文化が発展したとも言われています。
韓国のお風呂事情
トイレとお風呂と洗面台が一緒になっているのが、韓国のお風呂の特徴です。
そのため空間は広々しています。
確かに狭い家にお風呂とトイレを別々に作るより、ひとつにまとめて広いスペースをとった方が効率がいいのかもしれません。
広い空間ゆえ、洗濯機を置く家もあるのだとか。
トイレとお風呂、洗面台に洗濯機がひとつの空間にまとまっている家庭も少なくありません。
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ロシアのお風呂事情
寒さが厳しいロシアでは、毎日バスタブにお湯を溜めます。
それだけでなく、人が変わるたびにバスタブのお湯も全部入れ替えます。
なぜならバスタブの中で身体を洗う習慣があるからです。
ロシアの水資源は非常に豊富で、水道料金もかなり割安。
水を大量に使うことに抵抗がないのだそうです。
国の事情によって、お風呂事情も様々
いかがでしたでしょうか。
同じ入浴という行為ひとつでも、世界では様々な形があります。
そのため、バスタブがある国、ない国があるんですね。
両親、祖父母、子どもに孫。
みんなで入浴し、日本では家族団欒の場としても挙げられるお風呂。
実はアメリカでは法律的に禁止されています。
幼児保護の考えが日本とは大きく異なるため、たとえ親子であってもパパと娘、ママと息子といった異性が一緒に裸で入浴しようものならそれは「性的虐待」と見られ、立派な犯罪に!
さすが自立の国アメリカ。
小学校にあがる頃には誰の手も借りずに一人でシャワーを浴びるようになります。
各国の入浴事情に一長一短はありますが、やはり私はたっぷりのお湯につかってのんびり一日の疲れを癒せる、日本のお風呂文化で育ってきて良かったーと、改めて感じたのでした。
ライター:稲葉夕貴