ちょっと気になる、黄色いア・イ・ツ
お気に入りの入浴剤に、お気に入りの音楽をかけて、一日の疲れをまったり癒したいお風呂タイム。
湯船には、黄色いアヒルなんて浮かばせちゃったりして。
ん?お風呂アイテムの定番のように鎮座しているあのアヒル。
そもそも誰が、一体いつから何のために、あのアヒルとの混浴(?)を始めたのでしょう?
「お風呂のアヒル」にはきちんと正式名称があった!
誰もが湯船のリラックスアイテムに一度は思い描く、黄色いアヒル。
確かに彼(?)が浮いている様子はじっと眺めているだけで、どこか癒されますよね。
ゆらゆらぷかぷか、ひょうきんな顔で浮かぶアヒルですが、そもそもなぜ、お風呂にはアヒル!の定番になったのでしょうか?
彼の本当の名前はBubber duck(ラバーダック)。
その名の通り、ゴムのアヒルです。
彼の歴史は、19世紀後半のゴム製造の開始に関連しています。
ゴム製品の実用化が始まり、その製品技術は医療系や工業系に留まらず、広い分野に使われてきました。
ラバーダックこと黄色いアヒルが大衆化したのは、1970年頃と言われています。
米国で大人気の子供向け番組で、一躍有名人(?)に!
その人気に火がついたのが、日本でもおなじみの人気番組「セサミストリート」でした。
米国ではその頃から子供向けのお風呂玩具として、広く人気となったようです。
また2001年には、英国のエリザベス2世の浴室にあったとも報じられました。
その報道によって、イギリス国内での売上高はなんと80%も増加!
また1992年、ラバーダック輸送のコンテナ船が悪天候に巻き込まれ、約30,000個のラバーダックが太平洋の大海原に漂流!
この大航海時代(?)を経て、ラバーダックはあっという間に世界中の人気者となったのです。
世界を漂流した黄色いアヒルは、世界中のお風呂のオトモに。
ころんと可愛いその見た目からは想像もできない、凄絶(?)な歴史をもったラバーダック。
そもそも、彼らはなぜ「アヒル」なのでしょうか。
ペリカンや鷺、鴨やフラミンゴでは都合が悪かったのでしょうか。そしてなぜ、皆一様に黄色なのでしょうか?
これにも諸説あります。
- 可愛らしさを際立てるために、ヒナの色を使った
- お風呂嫌いの子どもの注意を引く目的があった
- 型取りが他の鳥に比べて簡単だった
- 突起物が少なく、誤飲の可能性が少なかった
なるほど、どれも納得できる理由です。
特に黄色は、視力が発達する前の赤ちゃんが一番好きな色だという説もあります。
数種類の色を見せると、目で一番よく追うのは黄色なんだそう。
なるほど、そう言われるとお風呂のアヒルが黄色い理由も納得できますね。
ただ可愛いだけのアヒルじゃなかった
いかがでしたでしょうか。
何の考えも無く、のんきにぷかぷか浮かんでるだけのアヒルにも、きちんと由来も理由もあったんですね。
ちなみに前述の大航海時代に流れたアヒルの中には、出発地香港からなんと北極海に入り、
氷に閉じ込められたまま移動した末、北大西洋経由でイギリス、アイルランドに向かったアヒルもいるのだとか!
ま、参りました。
ライター:稲葉夕貴