冬のお風呂は最高!でも、ちょっと待って・・・!
日本人は老若男女問わず、本当にお風呂が大好きな国民性ですよね。
私ももちろんそのひとりで、特に冬場は、冷え切った身体を芯から温めることができるお風呂が毎日の楽しみのひとつです。
でも冬のお風呂は手軽に温まれて気持ちがいいばかりではなく、実はさまざまな危険も潜んでいるんです。
特にご年配の方は、一歩間違えると命に関わる大事故につながる恐れも・・・!
今回はそんな冬のお風呂に潜む最大の危険ヒートショックとその予防・対策についてご紹介します。
ヒートショックは血圧のジェットコースター
冬の時期、寒い脱衣所で着衣を脱ぐと、私たちの身体は体温を奪われないようにするために血管が収縮し血圧が上昇します。
その状態でお風呂の熱いお湯に入ると、今度は縮んでいた血管が一気に拡張して急激に血圧が下がります。
いわば血圧のジェットコースターです。
このように急激な温度変化が身体に悪影響を及ぼす現象をヒートショックと言います。
残念なことにヒートショックが原因の心筋梗塞や脳卒中などによって亡くなる方は、交通事故でなくなる方の3倍以上も多くなっています。
これは何も高齢者に限ったことではなく、若年者でもヒートショックによる貧血で意識を失えば、大きなケガにもつながりかねない、とてもこわい現象なのです。
では、ヒートショックを招かないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
ヒートショックの対策
ヒートショックの原因は急激な温度変化です。
このため、入浴時の温度変化をなくすことがヒートショックの一番の対策となります。
入浴時のヒートショックによる事故を予防するには、次のような対策が大切です。
脱衣所を暖めておく
脱衣所の温度管理は、なかなか気づきにくい盲点ですが、脱衣所専用のヒーターまで登場しているほどヒートショックの予防には大切なことのひとつです。
ストーブやヒーターなどであらかじめ脱衣所を暖めておくことにより、衣服を脱いだときに感じる急激な温度変化が和らぎます。
こちらの脱衣所用ヒーターなら、タオル掛けにかけたり、床に置いたりなど自由に配置できて邪魔にならず、しかも数千円で導入できますので試してみてはいかがでしょうか。
最近では同じものをトイレに設置する人が増えているようです。
トイレもご年配にとっては寒暖差が生じてしまう、お風呂に次ぐキケンな場所ですからね。
シャワーで浴室内を暖めておく
いくら脱衣所を暖めておいても、浴室が寒かったら意味がありませんよね。
浴室を暖める方法はとてもカンタン!
お風呂に入る少し前に、浴槽に向けて熱めシャワーを出しておくだけです。
お湯張りをするときに少し少なめにしておけば、シャワーでお湯が増えても無駄になりません。
湯船に入る前にかけ湯をする
寒いからと言って、いきなり湯船に入るのはとても危険な行為です。
必ず、足先など心臓から遠い体の末端から徐々にかけ湯をして、ある程度お湯の温度に身体が慣れてから湯船に入るようにします。
お湯の温度を高くし過ぎない
冬場は湯船に浸かっているうちに、どんどんお湯の温度が下がってしまいますよね。このため
「最初は少し熱めにしておこう」
と考える方も多いと思いますが、熱すぎるお湯もヒートショックを引き起こす原因になります。
お湯の温度は41度以下に設定し、ぬるくなったら追い炊きをしたり、熱めのお湯を追加したりするようにしてください。
まとめ
急激な温度変化が身体に悪影響を及ぼす現象をヒートショックと言います。
寒い場所で衣服を脱ぎ、その後熱いお湯に入るといった行為は、身体にとても負担となります。
このためヒートショックを防ぐには入浴時の温度変化を少なくすることが大切です。
そのためにできることは次のようなことです。
- ヒーターなどを利用して脱衣所を暖めておく
- 熱めのシャワーを出しておいて浴室内を暖めておく
- 湯船にはいきなり入らずに、必ずかけ湯をしてから入る
- 湯船のお湯の温度を高くし過ぎない。(41度以下を推奨)
ぜひ今日からでも行ってみてください。
ご年配者の家族へのお願いごと
ご年配者と一緒にお住まいの方に私からのお願いです。
ご年配の方が一人で入浴をしている間は、家族がそれとなく様子を伺いに行ってあげてください。
実は私の祖母は、浴室で倒れて亡くなってしまいました。
周りの人がちょっと気遣ってあげるだけでも、こういった事故は防げるはずです。
ぜひ一日のリラックスタイムである入浴時間が悲劇の時間にならないよう、ヒートショック対策にトライしてみてくださいね。
ライター:湯川めぐ